Linuxコマンド・bashの使い方実例

Linuxコマンド・bashの使い方の実例を紹介します。
管理人は現役ITエンジニアとして働いております(本業は組み込み系)。
かれこれ10年以上ITエンジニアとしてのキャリアを積んできました。
まだまだ未熟者ですが、皆さんのお役に立てたら幸いです。

カテゴリ: テキスト操作

ちょっとした小ワザ(ってほどでもないのですが・・)、
特定のディレクトリ、あるいはファイルの、特定の行のみ出力する方法を記載します。 
下記のsedコマンドで、指定したファイルの指定した行を出力できます。 

sed -n [行数]p [ファイル名]

※-nオプションは、条件に含まれない行は出力させないオプションです。
※カッコ[]は含めないでください。

ディレクトリに含まれるファイル全てを対象に出力する場合は、
以下のようにfindコマンドと組み合わせます。

find [ディレクトリ] -type f -exec sed -n [行数]p {} ¥;

特定の拡張子のファイルを対象にする場合(例では拡張子が.c)、
findコマンドに-name '*.c'などのオプションでフィルターをかけることもできます。

find [ディレクトリ] -type f -name '*.c' -exec sed -n [行数]p {} ¥;

このようにgrepやfindやsedを組み合わせて使い慣れることで、
作業効率を格段に上げることができます。
Linux環境を使う方には必須のテクニックでしょう。 
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grepコマンドで、テキストエディタ等でよくするgrep指定をする方法です。

コマンド書式:
grep -nr --include=読み込むファイル名 "検索文字列" 検索するディレクトリ

例) 
grep -nr --include=*.c "return 1" ./MyProject

解説:
例では、"return 1"という文字列を、カレントディレクトリにあるMyProjectフォルダ以下にある、拡張子が.cのファイルの中から検索します。結果に、マッチしたファイル名と行だけではなく、行番号も出力します。

結果例:
./MyProject/grep_test/greptest.c:1:return 1;

-nオプションで検索文字列が含まれるファイルの行番号を表示します
-rオプションで指定したディレクトリを再帰的に検索します
--include=オプションで検索対象とするファイルパターンを指定します。正規表現が可能です。複数パターンを指定する場合は--include=を複数指定します。 

なお、結果のファイル名や行番号はコロン「:」で区切られるため、awkなどで整形することも容易です。 
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スクリプト等を変更する際、変更行をコメントアウトで残しておいて、
変更後の行を挿入することがよくあります。こういう時に便利なコマンドです。

変更対象のファイル:target.sh
#!/bin/bash
echo "-------teststart!!!-------"
echo "target1"
echo "target2"
echo "target3"
echo "-------testend!!!-------"
exit 0

変更後のファイル:target.sh

#!/bin/bash
echo "-------teststart!!!-------"
echo "target1"
echo "target4"
#echo "target2"
echo "target3"
echo "-------testend!!!-------"
exit 0
 
変更実行コマンド:
sed -e "/^echo \"target2/s/^/#/" -e "/^#echo \"target2/iecho \"target4\"" -i.bak target.sh

解説:
ピンク色の箇所がコメントアウト対象行。黄色の箇所が挿入行。
sedコマンドの1つ目の-eで実行しているコマンドは、
条件「echo "target2で始まる行」に当てはまる行の「行頭を#にする」という意味です。
正規表現で行頭は^と書きます。
sedコマンドで2つ以上コマンドを実行する場合はいくつか方法があります。
-eをその都度指定する。複数コマンドを{}で括る(その場合、各コマンドは;で区切る)。sedスクリプトファイルに記載する。等の方法があります。
2つ目のコマンドは、
条件「#echo \"target2で始まる行」に当てはまる行の前に「echo "target4"を挿入する」という意味です。

余談:
前にもsedコマンドの解説をしましたが、個人的にsedやawkとかエディタ系が好きなので今後も多くなりそうです。
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sedコマンドは文字列置換が便利です。
ストリームエディタ(つまりsedのこと)でも、複数行にまたがる置換ができます。
これを利用し、スクリプトから、別のスクリプトをカスタマイズする実例です。
スクリプトをアウトプットとする、スクリプト(ややこしい)の処理を作る時などに使えます。
 
置換対象スクリプト:target.sh
#!/bin/bash
echo "-------teststart!!!-------"
echo "target1"
echo "target2"
echo "target3"
echo "-------testend!!!-------"
exit 0

置換実行スクリプト:sedtest.sh
#!/bin/bash
sed -e "s/echo \"target2\"/if [ $? -eq 0 ]; then\n\techo \"success\"\nfi/g" -i.bak target.sh
exit

置換実行後スクリプト:target.sh
#!/bin/bash
echo "-------teststart!!!-------"
echo "target1"
if [ 0 -eq 0 ]; then
echo "success"
fi
echo "target3"
echo "-------testend!!!-------"
exit 0
 
解説:
ピンク色の部分が置換対象文字列。黄色の部分が置換後文字列。
エスケープシーケンス「\n」を使うことにより、複数行の文字列に置換することができます。
「\t」はタブです。echo文をif文に置換しているので、一応インデントを意識しました。
その他の「\」は「"」のエスケープです。
-i.bakは、sedコマンドのオプションです。「指定されたファイルを直接編集する。拡張子が指定されれば、その拡張子を付加してバックアップファイルを作成する。」という意味です。そのため、実行後はtarget.sh.bakというファイルがバックアップとして作成されます。
この-iオプションを知らないためか、直接編集したいのにわざわざ別ファイルに出力してコピーして置き換える処理とかたまに見ますけど、-iオプションを使ったほうがスマートです。

これにより、マスターのスクリプトを作っておいて、状況に応じて異なるスクリプトを出力するなんてことができます。

余談:
sedって便利ですが、しばらく使ってないと使い方わからなくなる典型ですよね。オプションに色々指定しなきゃいけないので。
備忘録も兼ねて書いてます。
 
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